インスタグラムの投稿に「指が短い人は短気」というのがあった。
ふと見かけただけで、いいねも保存もしていなかったので、すでに、その投稿は広いインスタ宇宙の星となり、肉眼では見つけることができなくなっているので、どなたの投稿なのかは、不明である。
長い指先が神経質そうに見える、というのは、小説を読んでいても出てくるし、実際に見かけても、なるほど、と思ってしまう。
しかし、指が短いと短気は、なんだかしっくりこない。
赤ちゃんの指のような人は、おっとりとした人が多そうなのになあ、とそのインスタの投稿に疑問を感じていた。
だが、その投稿が真実味を帯びてきたのである。
職場の先輩(上司ではない)に、瞬間湯沸かし器か?と思うほど、沸点の低い女性がいる。
彼女の沸点は、きっと体温くらいだ。
きっと、体を巡る血潮がぬるま湯ほどになると、怒りに支配されるのである。
お怒りの理由は、実にくだらない。
ホチキスの位置がズレている。
コピー用紙が補充されていない。
マーカーの色が(自分の決めた)色と違う。
そんなに怒り狂うことなのか? と疑問になることで、お怒りになっている。
気がついた時点で言わなければ気が済まない性格なのか、新人の頃は、注意ばかりされて、そういうものだと思っていたが、仕事に慣れてくると、文句ばっか言ってるんだなとわかってきた。
そんな彼女は?指が短い。
赤ちゃんのような指先をしている。
その時、私の中で何かがカチリとなった。
指先が短いと短気!
インスタの投稿を思い出したのだ。
ああ、本当だった。
彼女が短気なのは、責任感云々ではなく、ただ単に指先が短いからなのである。
そうだったのか。
妙に納得しながら、あの五月蠅いお小言に出会わなくなるにはどうすればいいのか、日々考えているのである。